愛媛新聞からの質問と回答

愛媛新聞からの質問と回答

① 西日本豪雨

西日本豪雨は県内に甚大な被害をもたらし、農林水産業や観光など幅広い分野に影響を与えています。被災者の生活再建を含め、どのような復旧・復興の展望を描きますか。今回の被災経験を踏まえ、今後発生が想定される南海トラフ地震などの自然災害に備え、どのような防災対策に取り組みますか。

【回答】

住まいと生業の回復・再建が何より大事である。個人の住宅や事業の復旧・復興のためこれまでの前例にとらわれず、国にも働きかけ必要な手立てを県としても積極的に行う。また、グループ補助金の支援から外れた事業者にも、生業再起を励ます機会として復興イベント等を活用してもらうなど、前向きな方向につながるよう支援する。

防災対策では、集中豪雨が頻発する気候変動のもと、ダムによる治水に限界があることは明らかである。ダム依存から脱却し、築堤や河道掘削や改修など、河川整備を中心に治水の抜本対策を進める。

南海トラフ巨大地震が近く起きると警告されており、中央構造線との連動も可能性が否定できない。住宅や店舗などの耐震化への補助制度を導入し、海岸整備にも特段の力を入れる。避難所となる学校や公共施設の耐震化は緊急課題として進める。

② 伊方原発

四国電力伊方原発は3号機が再稼働し、1、2号機の廃炉が決まりました。県民生活や経済活動への影響を踏まえ、今後伊方原発とどう向き合いますか。原発の安全対策や廃炉、伊方原発敷地内に使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設についてどのように考えますか。

【回答】

伊方3号機の再稼働で危険が著しく増大した。伊方原発の間近を走る中央構造線活断層帯による強烈な地震動が予測され、南海トラフによる地震でも震度7が予測されている。県民の命と暮らしが危機的な状況におかれている。3号機は運転をとめて廃炉に向かわせる他ない。九州で顕在化した原発のために再生可能エネルギーの発電を捨て去ることは愚行である。「ブラックアウト」を避けるためにも原発は不要である。

5月には、再生可能エネルギーによる電力が四国の消費電力の大部分に匹敵するに至った。「環境評価」を確実に、再生可能エネルギーの比率を高める。乾式貯蔵施設は、原発の長期運転に道をつけ、3号機の使用済燃料プールを危険な状態にしてしまう。乾式貯蔵施設の事前協議は凍結し、3号機使用済み燃料プールの補強と、冷却設備の位置を集中しない形での多重化を先行させるべきである。 

③ 人口減少

県の人口は年1万人ペースで減少しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、愛媛は2015年の138万5千人から40年には107万5千人になります。

少子高齢化で、社会保障費の増大や地域間格差などの問題が懸念されますが、人口減少社会にどう向き合いますか。

【回答】

人口減少の主たる要因は少子化にある。その解決のためには働く世代の不安定雇用(臨時・派遣・長時間労働など)の解消と、子育て支援(保育・教育費の軽減、医療費の無料化等)の抜本的対策が必要である。また、若い世代で結婚に至る交際や、出合う場面、結婚して共に暮らす場面を見つけられる地域の魅力と文化的な土壌を豊かにするこことも重要である。

県として、労働時間の短縮や働く人の権利など働くルールの再確立を国に働きかけるとともに、県としてブラック企業やブラックバイトの根絶に取り組む。県内企業に、正規雇用を強く奨励し、それが当たり前の県内風土をめざす。保育、教育における負担や困難の軽減のために、県として子育て支援員養成のさらなる充実をはかる。就労段階での県内定着をめざすために、返済免除規定を設けた医師及び看護師の奨学金制度に拡張し医療分野の若者の定着を強める。また、第一次産業での就労定着をはかるために「家族農業」や「農家林業」を重視し、県として積極的に支援を行う。

 ④ 人手不足

 県内の有効求人倍率は高水準で推移していますが、少子高齢化を背景に人手不足が深刻化し、県内企業の半数で働き手が足りないとの民間の調査結果もあります。中小企業の働き手の確保のほか、企業の働き方改革の後押しのため、どのような施策を考えていますか。

【回答】

県内の有効求人倍率が高水準と言われているが、働くルールが壊されて不安定雇用やブラックな働かせ方、継続して働くことができないような劣悪な賃金や労働条件の求人がほとんどという下での現象の一面である。正規雇用が当たり前、安心して家庭も子育てもできる働き方にすれば、「人手不足」という現象もおのずと解消していくと思われる。最低賃金を全国一律で時給1000円に急いで引き上げる。正規雇用が当たり前、労働時間も大幅に短縮することによって良質の雇用が大幅に増えることになる。そうなれば、「少しでもいい条件の職場」を求めて都会へ流出している若者も県内に喜んで就職できるようになると思われる。国の政策で雇用のルール破壊が進められてきたことがおおもとにあると思われるので、国において雇用のルール再確立、労働条件と賃金の大幅な改善を進めるため、国や企業にも積極的に働きかける。

⑤ 農林水産業の振興

県内の農林水産業は高齢化や後継者不足などが進み、新たな担い手の確保が急務です。県内の農業就業人口(2015年農林業センサス)は4万1104人で、前回調査の10年から1万1663人減りました。1次産業の担い手の確保・育成策や支援策について、どのように考えていますか。

【回答】

農林水産業は国民、県民の食料生産という基幹にかかわる産業である。生産とともに国土の保全も担っている。自然を相手の仕事であり、工業と同じような競争や利潤追求はなじまない。後継者が大きく減少していくのは、農林漁業で生活できないという問題が決定的である。生活が成り立つようにすれば後継者の確保はめどが立つ。農業ではおもな農産物の価格保障と個別所得補償の組み合わせで生活できる仕組みを国にも強く働きかけ確立をめざす。みかん農業などの災害復興も含め、営農意欲を継続させる施策が必要。住宅の斡旋や一定期間の手当支給、子育て支援などUターン、Iターンの奨励策、家族も含めて後継者育成の支援策を積極的に進める。養殖漁業、沿岸漁業への支援を強める。わが国の食料主権を脅かすTPPからの即時脱退と日米FTA交渉を行わないよう国に強く働きかける。各国とは食料主権を相互に尊重しあいながら互恵関係の経済協力を進める。

⑥ 観光の推進

第2期県観光振興基本計画(2016~20年度)によると、最終年度の目標は、観光入り込み客数が2900万人、観光消費額は1200億円です。17年度実績は、入り込み客数が約2700万人、消費額が1125億円でした。西日本豪雨や、19年1月の道後温泉本館の改修開始など観光への逆風もある中、どのような観光推進施策を考えますか。

【回答】

愛媛のおだやかな気候風土、豊かな自然を壊さずに生かし、観光客を誘致することには大きな可能性がある。そのためにも、住む人にとって安全、安心で快適な環境を作ることが基本で、災害対策や、放射能汚染の危険を除くことはその前提となる。

観光政策について、業者を中心にアンケートなどを行って、何が求められているかを把握する。地元産品やサービスの売上とともに、滞在型の観光の比重を高める。定住にまで結び付ける可能性を探ることは地域の将来にとってもプラスになる。リゾート施設の整備などを計画的に進める。そのさい、地元住民や、その事業にあたる中小業者の意見を活かすことは絶対に欠かせない。その地域に住む人のくらしと生業のための観光をめざす。

⑦ 医療の偏在

2016年の県内医師数は3745人と06年より346人増加しましたが、医師増の大半が松山圏域でした。人口10万人当たりの医師数272・4人も松山圏域(351・5人)以外は、全国平均251・7人より少なく、県内では医師の偏在が深刻です。医師偏在に、どのように取り組みますか。

【回答】

医師数を増やすこととともに、医師養成の課程において地域医療の価値を認識する医師を増やすことが要となる。医師養成研修や若手医師の中で、専門医資格をめざした技術志向的傾向が強まっており、地域医療が相対的に軽視される傾向を生んでいるともみられている。県として全国知事会とともに、国の医師養成の在り方について県として強く改善を求める。

愛媛大学医学部の地域枠を増やす方向で、県として大学側との交渉を進める。また、自治医科大学の活用も積極的にとりくむ。過疎地域における国保診療所の開設と維持について、県としても国保連合会への要請とともに支援態勢を検討する。四国中央市の三島地域の医師及び医療機関不足の改善に向けては、2010年の協定における三島地域への350床規模の中核病院建設の方向での努力が続けられており、県としてもその遂行に向け建設に関わる支援の姿勢を示したい。

 ⑧ 県立学校の再編

少子化で、県立学校は過去10年で4校減りました。県立学校の再編計画について、教育環境の整備の観点で検討されていますが、学校は地域活性化の拠点として地域住民の思い入れもあります。今後の県立学校の再編計画についてどう考えますか。

【回答】

県立高等学校においては少子化の影響で、ようやく2クラスを維持している高校がある。

今治北高校大三島分校のように分校化という形で存続している高校もある。県立高校の存続発展に関しては、地域における産業活性化や若い世帯の定着をはかることが急務であるが、子どもが高校生世代に至るまでの年数も考慮しなくてはならない。いずれにせよ、地域の声、保護者の声などに耳を傾け、慎重に対応すべき問題である。

一方、県立特別支援学校においては、知的障害特別支援学校の大規模化が著しい。特別教室、作業教室等を転用して教室につかったり、2学級に分けるべきところ1学級にしたりしている。また、トイレ設備の不足や、避難スロープがない、安全に教育活動が出来る体育館にする必要があるなど、課題が山積している。分校方式も含め、改善が急がれる。